2012年11月 7日
TITLE:結婚して9年(8) テモン(胎夢)
韓国ではとってもポピュラーなこの言葉。韓国では妊娠すると、自分や周りの人が赤ちゃんを授かる夢を見るらしいのです。その夢がテモン(태몽=胎夢)です。なんでも、赤ちゃんの未来や、性別、特徴などをも暗示する夢なんだとか。
テモンの内容は本当に様々で、龍や虎、馬、ヘビ、なつめ、栗、熟した果物が登場するとお腹の子は男の子で、花や桃、リンゴや貝などが登場すると女の子だと言われています。おめでたいと考えられるテモンは、「買ってでも見ろ!」と言い、実際にそのような夢を見た友人から「夢を買う」こともあるんですよ。
テモンについて、まだ何も知らなかった、2003年12月末、結婚式直後の新婚旅行先・チェジュ島でのこと。大晦日の日、私は夢をみました。小さな「なまず」をオッパがかわいがって育てていると、巨大になり、立派なひげが!その瞬間、不気味で目が覚めました。
まだ韓国語が今ほど流暢ではなかったため、"なまず"を韓国語で何というのかわからなくて、「とにかく大きくて、太いひげが伸びてて......あ~怖い」......。知っている単語をつなぎ合わせ、必死で説明すると「それはものすごくいい夢のはずだ!」とオッパ。早速、確認の電話をオモンニム(어머님=義母)にしています。
「みほこがヨン(용=龍)の夢を見たらしい。」「オモヤ(어머야=まぁ) ! 吉報ね!」興奮気味のオモンニムの声が、隣にいる私にまで聞こえてきます。オッパがメギ(메기=なまず)をヨンと伝えたことで、オモンニムは、私が男の子を授かるテモンを見たと思ったのでしょう。
実際に私が妊娠したのは、それから3年後の2006年。オモンニムはどれほど待ち望んでいたことでしょう。韓国では結婚して1年以内に赤ちゃんができるのが一般的で、1年を過ぎても子どもがいないと、両親はとても心配するし、親戚、友人や会社の同僚、はたまた時々会う近所の人までもが「どうしてまだ作らないの? 早く子を授かりなさい」と質問ぜめと"パリパリ(빨리빨리=急ぎなさい)!攻撃"にあうことも多々。実際、私もソウルで乗ったタクシーの運転手さんに「早く子どもを作りなさいよ」と言われたことがあります。
そして、まだ妊娠計画がなかった2004年の年末、オモンニムから電話がありました。「みほこ、妊娠したんじゃないかい? 私、テモンを見たんだけど。」テモンの中身を聞くと、大きなチョゲ(조개=あさり)が海の中にあって、もう一つは海から出たところで動いていた、と言うのです。そして、この日から何度「エギソシギイッソ?(애기 소식이 있어? =赤ちゃんできた?)」と聞かれたことでしょう。
これらのテモンもどきは、オモンニムの不安や心配、期待が色々な夢となって、出てきたのではないかとと思います。その気持ちは充分伝わるものの、私としては初めての韓国を、もう少しゆっくり味わいたいと思っていたのでした。
そして、2006年に長男を授かりました。この時、テモンを見たのはやっぱりオモンニムでした。「どんな夢でしたか?」と聞くと、「ソンヨン(オッパのこと)は上半身裸で、胸にエメラルド色の石が輝きを放っていたわ」と教えてくれたのでした。