阿部美穂子の韓国Pick up!:スペースアルク
 

2011年4月17日

TITLE:韓国・ノリハッキョ=遊び学校

東日本大震災から1カ月がたちました。続く余震、増え続ける問題……解決にはまだまだ時間がかかるのかもしれません。それでも、被災地の人々、日本のみんなが力を合わせ頑張って生きています。世界も日本に手を差し伸べています。絶対に負けないで。人は目標を持つとそれが生きる勇気になります。そんな勇気を支えてくれるものの一つが音楽だと思います。4月11日、私もパワーをもらえる曲を聴いて、黙祷をささげました。皆さまに、子どもたちに太陽の笑顔が戻りますように! 一緒にがんばりましょう!!

110417_1th.jpgさて、長男のヂヒョが놀이학교(ノリハッキョ)に通ってもうすぐ1カ月になります。ブルーの爽やかな制服も、赤いトレーニングウェアも도시락(お弁当)セットも、おまけに色鮮やかな園バスも、何より先生方、明るく元気な生徒たちと、どれも満足で、結局、どこも人数制限がある中、残りわずかな一席に入れたわけですが、思えば本当に残りものに福があった状態だったのではないかと感じています。最初の1週間は、まるで私が通っているかのような緊張感に包まれた日々でした。

全て韓国語で書かれた幼稚園の準備品、その他連絡事項等、ドキドキ・わくわくする気持ちと、せめて母親の私ができることを十分やってあげたい、それは早寝早起きの習慣づけから始まって体調管理など、ありふれたことですら、ずいぶん気が張っていたように思います。

110417_2th.jpg月曜日、ヂヒョはお気に入りの制服を着て緊張の面持ちでバスに乗って園に向かいました。様子が変わったのは翌朝、「行きたくない」と泣きだしたのでした。理由を聞いてみると、見学に行ったときと違って「遊びがほんの少ししかない」からだと、泣きながら必死に、指でどれほどほんのちょっとかを示してみせるのでした。お勉強ばかりでこれしか、ほんとのちょっとしか遊ばない、日本の年で4歳の子どもたちの仕事は遊び以外に何があるのでしょうか?! 確かに1週間の予定表を見ると、英語、ハングル、中国語までびっしりお勉強の授業がずらりと並んでいます。休日も土日と祝日、ほかは夏と冬に約5日ずつほど。韓国の教育熱は現実のようです……。そうだよね、お勉強イヤだよね……同情しながらも「後でアッパと園に行くから、先に行っててね」とバスに乗せたのでした。
緊張の翌日の水曜日、思ったよりもすんなりと登園。

そして木曜日は、またも泣いて訴えました。「踊りがイヤ、お勉強がイヤ、面白くない」とのこと。「後でヂオンを連れて歩いて見に行くからね」と言って聞かせ、どうにか送りだしたのでした。

家からベビーカーを引いて20分弱のノリハッキョに着くと、英語の授業中でした。オンマが来たことを知らない長男、そーっと様子を見ることにしました。先生が質問した英語はもちろん、韓国語だって分からないヂヒョが、必死に両隣のお友達を見よう見まねし、手ぶり素振り、一生懸命の表情で答えているではありませんか。そのがんばる姿に思わず涙ぐんでしまった私。母の心配を上回る息子の頑張る姿に感動しました。
授業後、オンマを見たヂヒョは朝の一部始終がウソのようにニッコリ照れ笑い気味にあいさつし、お友達と次の教室へ移って行きました。月曜日もそうでしたが、実際に見に行くと「どう? 僕上手にやっているでしょう?」とばかりに頑張る姿だけ、目に入ってきます。園長先生も「がんばっていますよ。時間が解決してくれると思いますから、あんまり心配しないでくださいね」と優しい声をかけてくださいました。

この日からオンマの私は家で息子を信じ、静かに見守ることにしました。次の週からは泣くこともなく、元気に登園してくれています。ヂヒョの通うノリハッキョの6歳クラスは2クラスで、それぞれ10名、9名と少人数です。そのせいか、担任の先生も、より一人ひとりの子どもたちのケアを気にかけながらしてくれているように思います。手作りの真心込められたお昼御飯なども少しずつですが、食べられているようで、先日はトンカツとコサリナムルをほんの少し食べたのだとか、お友達が美味しそうに食べているキムチまで食べたなんて、一歩進んだようです。

また、ノリハッキョのもう一つの特徴はビルの中に位置していること。よく見ると、ビルディングごとにほぼ一校はあるのではないかと言うほど、数多くのノリハッキョがあります。たいてい園庭はなく、外の公園などに行って遊ぶことになります。息子が通うノリハッキョでは、スペシャルデーと題された金曜日以外は登園してからほぼ一歩も園の外に出ないのです。ですので、体を動かしたくて仕方がない息子は、土日ほか、平日も3時に自宅に戻ってからは、夕方まで自転車に乗ったり、キックボードをしたりして外で過ごしています。もう少ししたら入園プレゼントとして、ハラボジとハルモニから買ってもらったインラインスケートにも挑戦するつもりです! がんばれ!! 우리 아들(息子)!

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ハングルを書いているお兄ちゃんの顔が大人びていて、びっくりしました。将来はバイリンガルになって、日韓の懸け橋に! ヂヒョくん、ファイティン!!